誰でもネットに参加して、取引データ、即ちトランザクションをブロックとして認められて始めてチェーンとして繋がることができるようになるためには、まず、承認を受けなければなりません。承認なくして何も始まりません。しかも、話は簡単ではないのです。というのも取引が始まって完了するまでには数々のプロセスがあります。管理者、或いは管理に相当する機関がブロックチェーンの世界ではいませんし、ありません。その代りとして、マイナーが検証を行なうシステム構成となっています。マイナーがマイニングを行なうスタイルです。
【取引データのプロセス】
①取引データ
(トランザクション) 発 生 |
↓
②取引データを
一時的に貯蔵庫にプール |
↓
③承認の可否のための
マイナーによる検証 |
↓
④承認を受け、取引データが
ブロックチェーン内に記録 |
①取引データ(トランザクション)発生・・・相手先に送金する取引が発生しては直ちに送金は行われません。要はこの段階では「この取引をお願いします」と宣言して送金の前準備に入ります。
②取引データのプール・・・取引依頼を受けると、承認プロセス前に一旦、貯蔵庫にプールされます。こうして、マイナーによる検証の準備を行います。いわば、検証待ち状態となります。つまり、未承認時間が発生するという問題が起きます。送金者は送金依頼を行なったにも拘わらず、送金先には送金されましたというシグナルが発生していません。この時間のズレが問題で注意する必要があります。
[取引データ貯蔵庫の必要性]思い返して下さい。「マイナーが取引データの検証作業を行います」という件です。これはいままでにない、とても重要なことです。というのも誰でも機材さえあれば検証作業であるマイニングに参加することができるということなのです。マイニングによって報酬制度に準拠して報酬を受け取ることができます。このルールはPoWと呼ばれる遣り方に則っています。これがマイナーにとっては美味しい送金手数料、つまりインセンティブとして報酬を受けることになります。これはまさにゴールドラッシュ時代に類似しているといえよう。我も我もと寄ってたかってマイニングが発生することになります。裏を返せば、送金手数料を高くすればするほどマイナーが飛びついてくる仕組みが展開されることは容易に想像できます。手数料が安ければ後回しになる嫌いが出てきます。このことをある程度理解した上で、送金手数料と送金に要する時間との兼ね合わせを熟慮して行なうことが肝要となってきます。このようにビットコインの世界ではマイナーたちを絶えず競争の世界によって成立しています。マイナーたちは競争に打ち勝つために機材を常にグレードアップさせて競争に備えようとしています。そして、最終的には
ビットコインは競争の勝ったマイナー(採掘者)に与えられる!
という競争原理が働いているのです。
次なる問題として、管理者がいなくて絶えず競争の世界においては、支払に関する二重支払という問題が浮かび上がってきます。二重支払の定義はAさんに支払を済ませた後に、Bさんに同じ支払をするというように定義されます。この二重支払の問題を解決した仕組みが分散型台帳を共有して、取引の履歴をお互いに相互承認するという仕組みによって二重支払を防御することに成功に至リました。
分散型台帳は二重支払の禁止を導くことに成功しました!
③検証・・・貯蔵庫に蓄積された取引データをマイナーが取り込んで承認のための検証作業を徹底して行います。
④記録・・・マイナーによって検証された取引データをブロックとして、ブロックチェーン内に書き込んで他のブロックと繋げていきます。ブロックチェーンに書き込んだ瞬間に始めて承認されたということになります。この段階における承認は1段階の承認となります。この後、もう一つのブロックと繋がった場合は2段階の承認として動くことになります。通常、1段階の承認に要する時間は概ね10分程度といわれています。確度を増すためには6段階がよろしいとされていますが、承認に時間ばかりが掛かってしまうことになります。
【送金手数料】先述しましたが、「手数料をプラスすることで送金時間はさらに速くすることができる」というルールが送金手数料の仕組みにあります。これを狙っているのがマイナーたちです。送金するためには取引データの検証作業が必要で、速く送金するためにはスピーディーに行なって送金の優先度をあげることがポイントになってきます。要は早いもの勝ちの原理が働きます。マイナーにとってはこの送金手数料が自らを潤す報酬になるため、送金手数料というマイナーにとっての利益が少ないとスピードが鈍くなり非協力的になってしまいます。
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