ブロックチェーンを把握する上で必要なレイヤー観とは?

一体全体、「ブロックチェーンの全体像はどうなっているのか?」ということについて気になりませんか? 全体像を見ていく上で必要不可欠なものとしてレイヤーという考え方を導入することがポイントになります。しかもそのレイヤーには2つの面が必要になります。

まずはじめに捉えていく必要のある事項は環境から捉えた

技術開発面、

ビジネス・事業面、

政治・規制面、

市況・投資面

の4つの面についてです。もう一つは、コンピュータそのものが有している通信機能を階層構造として捉えて分割を図ったモデル、つまりOSI参照モデルに関して見ていく必要があります。ブロックチェーンの世界では非常に話題性に富んでいて、現にあちらこちらで議論が繰り返され展開されているのが実状です。その中でも特に議論が盛んなのは技術開発面からとビジネス面からの問題解決に関する課題です。その課題はスケーリングという領域に該当します。スケーリングについては改めて述べることにします。

環境から捉えたブロックチェーンには4つの面、即ち4つのレイヤーが考えられます。その前提条件として、Peer to Peerによるネットワーク技術の体型が分散型アプリケーションにおける基盤を形成していることです。決してノード内における共有データという狭い意味のブロックチェーンとは区別して考えます。さらに、ブロックチェーンに関する様々な情報の読解を助けるものと4つの問題を常に念頭においておきます。

4つの問題とは

①Who、②Where、③Why、④What

のことをいいます。その理由は番号順に、

関与しているプレイヤーが大勢いること

関係する面、或いは領域が多方面に及ぶこと

それぞれのポジションでトークが飛び交うこと

取り上げられる話題がバラバラであること

の理由によります。

常にこれらの4つの問題を意識しながら進めていくことがポイントとなります。

 レイヤ 領  域  説  明
レイヤー  技術開発面

=Protocol  Layer

この領域はブロックチェーンに関するテクノロジーを引っ張っていく技術・開発者で、ブロックチェーン・システムにおける様々な改善策を講じること、プロトコルのさらなる改良を担っています。
レイヤー  ビジネス・事業面

=Business Layer

ブロックチェーンテクノロジーの導入・活用等を模索している新微ジュネスに起業者、或いは既存のシステムから一歩踏み出すことを考えている事業者がこの領域に属します。既存のクライアント・サーバー型に対するイノベーション、新ビジネスモデルへの模索、新たなサービスに関する様々なアイデアの創出と試行錯誤等が行われています。
レイヤー  政治・規制面

=Regulation Layer

この領域に属するプレイヤはブロックチェーンの環境を外からみてコントロールをいかにすればいいか、或いは既存システムをどう保護していけばいいか等を考えて様々なトークが飛び交っています。
レイヤー  市況・投資面

=Observation Layer

この領域はブロックチェーンにおける環境を眺めて楽しんだり、投資或いはトレードを行なって利益を出そうと考えている領域をいいます。この領域は目線がユーザー目線であることからキャッチャーな話題が流布されるためプレイヤにとっては非常に重要な領域といえます。

4つのレイヤーのうち、特にレイヤーで述べましたプロトコルレイヤーが「今現在、課題が何であるか?」ということに関して、さらに階層化を進めていくことで洞察可能となってくると考えられています。イーサリアムを例にして述べてみます。

レイヤー 階層名 概 要
レイヤー0 P2Pプロトコル層 ノード間における通信の基本事項やトランザクション、ブロックのフローがプロトコルによって規定が定められています。
レイヤー1 コンセンサス・プロトコル層 この層は合意を形成するに当たっての根幹を構成している層で、合意に対するアルゴリズムが明確に定義されています。具体的にはブロックサイズ、ブロック作成時間、総発行量、マイナーの役割等が定義されています。よく耳にするゼロダウンタイム、トラストレスの特徴はこの層における技術が適用されています。
レイヤー1.5 バーチャルマシン層 電卓と共有レイヤー台帳であったレイヤー1をワールドコンピュータに進化させたのがこの層といえます。
レイヤー2.0 データスケーリング層 この層によってはじめて仮想マシンとしてのブロックチェーンが生まれたといえます。つまり、データベースとプログラムの領域に兼ね備えたことです。ところが、残念なことにレイヤー1.5までのプロトコルに制限されることで処理能力にインパクトを与える結果を招いたのです。つまり、スケーラビリティ問題が浮上してきたのですが、この問題は別途述べることにします。
レイヤー2.5 マシンスケーリング層 OSとして保証する基本機能に、大容量データの保存或いは利用する上での分散的機能を取り込むように図って共用仮想マシンを大勢の人々で利用するようにしたことです。いわば、「みんなでブロックチェーンを」というコミュニケーション機能が進化してきたといえます。
レイヤー3.0 ベースメントDapps層  この段階まできますと、数々のサービスが生まれてきます。具体的には共通のIDを使ったプロトコル、或いはトークンの交換を可能としたプロトコル等がこの層に該当します。
レイヤー4.0 サービスDapps層 この層に至っては今までのアプリケーションと同じようにユーザーがダイレクトに取り扱える様々なサービス、ゲーム、或いはプラットフォームが開発されています。つまり、中央集権から解き放されて僅かなコストで様々なアプリケーションが個人開発者或いはスタートアップ企業等によって開発されてリリースされようしています。
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