通貨といっても、仮想通貨はデジタルによる暗号通貨のことをいい、実体のない通貨を意味しています。実際に流通している通貨、例えば円やドル等であれば、実体があり、常に可視できる状況にあります。しかも中央集権下でコントロールされている法定通貨あることから、思い思いの方法で保管することができます。仮想通貨においてはそうはいきません。箪笥貯金なんてできるわけがありません。とにかく、馴染みのなく実体のないデジタルの通貨であるため、一体全体どのような方法で仮想通貨を保管すればよいかをみていくことにします。
近頃良く目にするのは◯◯ウォレットという言葉で、既に◯◯ウォレットを活用している人もいるかと思います。ウォレット(wallet)とは財布を意味しています。決して電子マネーとは違います。電子マネーは現金をデジタルに変換してICに記録させて、貨幣の代わりとして使用することを意味します。SUICA等がその一例です。でも、決してウォレットではありません。明確に認識することが肝要です。SUICA等を実際の財布に入れて使う人もいるかと思います。SUICAを入れる財布そのものがウォレットに該当します。
仮想通貨の世界では必ずウォレットという言葉がでてきます。ということは、仮想通貨をストックするものがウォレットという意味をなします。即ち、仮想通貨を保管するウォレットそのものが保管場所になります。しかし、ここでいうウォレットは取引所等が所有していて、自分自身のウォレットでないため、セキュリティ面で非常、にリスクが高いといえます。取引所等に任せないで、自身の所有するウォレットにストックすることが最良の方法の一つといえます。
では、仮想通貨を保管する具体策の講じる方法を述べていきます。ウォレットをオンライン環境下で保管するか、又はオフライン環境下で保管するかの2通りに分かれます。前者をホットウォレット、後者をコールドウォレットといいます。
【ホットウォレット】ホットウォレットには、デスクトップウォレット、オンラインウォレット、モバイルウォレットの3種類のウォレットがあります。
❶デスクトップウォレット・・・仮想通貨に関するデータを自身のパソコンにダウンロードして保管する方法です。この方法は結構リスクが高いといえます。パソコンに対するセキュリティ対策を講じる必要があります。
❷オンラインウォレット・・・これはインターネットにおける財布で、登録することで始めて利用可能となります。デスクトップウォレットよりもリスクは低いといえます。
❸モバイルウォレット・・・パソコンではなく、スマホ・アプリによる仮想通貨保管管理を行う方法です。パソコンとは違って盗まれたり、スマホを落として壊すことリスクがあり、高額の仮想通貨には不向きといえます。
【コールドウォレット】コールドウォレットとしては、ペーパーウォレット、ハードウエアウォレットの2つののウォレットが存在します。
❶ペーパーウォレット・・・文字通り仮想通貨をペーパー(紙)に印字して、印字した紙そのものを保管する方法です。印字される情報には、データ復元に必要なキャラクタストリング、即ち文字列情報、その情報を即刻に読み出すためのQRコードがあります。似てはいるが非なるものとしての実体の紙紙幣ともいえ、理解を助けることになります。ペーパーウォレットの欠点は使い回しができないことです。つまり、一度ペーパーウォレットから仮想通貨を引き出してしまうと、そのペーパーウォレットは二度と使えなくなってしまいます。ということは、取引が頻繁に行われるケースではペーパーウォレットは不適切といえます。その反面、紙という媒体で保管するため、きちんと保管さえすれば、パスワードの盗難等とは無縁となり、極めて安全な保管手段といえます。
❷ハードウエアウォレット・・・一般的に良く知れ渡った方法に、USBメモリ等が挙げられます。USBを接続した上で、専用アプリをパソコンにインストールします。インストールが済めば、USBをパソコンに装填し、専用のアプリを仲介して上で取引所のウォレットを自身のパソコンに送金します。送金後着金の確認を行なって問題がなければ、USBを引き抜きます。この作業が完了すれば、仮想通貨のUSB保管作業の一貫のプロセスは終了です。実際には仮想通貨そのものが保管されているわけではなく、「秘密鍵」がデータとして暗号化された状態で保管されることになっています。引き抜いたUSBの保管は自己責任でしかるべき場所に保管すれば、全くリスクに対する問題はないといえます。
仮想通貨は必ず復元用のパスワードとPINコード(個人識別番号)が案内されますので、これさえ抑えておけば安全であるといえます。万が一、復元用のパスワードとPINコード(個人識別番号)を忘れてしまえば、保管した仮想通貨にはアクセス不能となってしまいますので、要注意です!!
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