仮想通貨による様々な取引に関する税金について述べてみます。
仮想通貨の税金は?
今を遡ること2017年12月に仮想通貨に関する所得の計算方法等が国税庁から発表されました。この計算方法に則って様々な仮想通貨による取引で得た利益等に対して納税すべき税金を算出することがポイントとなります。仮想通貨で獲得した利益、つまり所得は雑所得に類別され、20万円を超える利益であれば申告が必要になります。ただし、配偶者や学生などを扶養している人は33万円以上の利益であれば申告する必要があります。
税金の支払いというのは義務づけられているので「仮想通貨」への投資で儲けても納税の義務は生じます。仮想通貨を売却したり、交換した時などに得た利益から必要経費を差っ引いたものが所得となり、当然納税の義務が発生します。また、給与所得者は給与以外で20万円をオーバーしてしまうと確定申告が必要になるので、注意が必要です。サラリーマンをしながらサイドビジネスで投資をされている方は、これに当てはまる方が多いのではないでしょうか?ただし、前述したように「給与所得以外が20万円以下」の場合は、申告する必要はありません。
仮想通貨にかかる税率は?
気になるのが税率ですが、もちろん所得が高い方が多く納税するのは世の常です。仮想通貨は税法上だと「雑所得」に分類され総合課税の対象となってしまい、一律10%の住民税と合わせると15%から最大55%も課税されてしまいます。所得が高いほど税金が重くなるのは仕方ないですが、55%までいくと所得の半分以上を納税しないといけないので、かなりの額になってしまいます。また、残念ながら株式や金融商品などの他の所得と損益通算することができないので、納税額を減らすことができないのが現状です。税金計算についての具体例を説明します。
仮想通貨の所得税の計算
【2017年、某会社における給与所得が500万円のAさんがさらに仮想通貨で得た利益が300万円あった場合】
★給与所得に課税される金額・・・Aさんが得た所得の総額はは800万円となります。この800万円を所得金額と税率のテーブルを参考にしますと、税率は23%で控除額は636,000円となっています。つまり、以下のように算出されることになります。
(¥5,000,000 – (控除額)¥636,000)× 0.23=¥1,003,720というように計算されます。
しかし、Aさんの場合は勤務先の会社で既に会社の方で源泉されています源泉徴収額にプラスされた形で89,220円の所得税が増加することになります。こうして計算された納税すべき金額89,220円を期日である3月15日までに納める必要があります。
★仮想通貨に課税される金額・・・
(仮想通貨で得た利益)3,000,000円 – (控除額)636,000円 × (税率)0.23=543,720円というように計算されます。
⇒Aさんが納めるべき税金はトータルで632,940(=89,220+543,720)円と計算されます。このことから利益を獲得すればするほど税率が上がり仮想通貨は不利になってしまうと一般的にはいわれています。因みに株式投資で得た利益、或いは外国為替証拠金取引で得た利益は給与所得に無関係で一律ほぼ20.315%が課税されます。
では、仮想通貨においてはどのような場合に課税されるかを列挙してみました。
①仮想通貨の売買で得られた利益・・・カレンダーイヤー方式つまり1月1日から12月31日の期間を対象にして、移動平均法又は総平均法のいすれかによって所得額の合計をします。計算方法については一度届けますと以後は変えることはできませんので、要注意です。コインからコインに両替したときも税金はかかります。
②仮想通貨でショッピングしたケース・・・仮想通貨でショッピングするとは利益が発生しているとみなされる理由から課税対象になってしまいます。1BTC=¥100,000の時点で1BTCを10万円で買い、1BTCが50万円の時点で他の仮想通貨を1BTCを買った場合、40万円が課税対象金額となります。他の仮想通貨の獲得金は50万円でビットコインの獲得金は10万円、即ち、その差額40万円が課税の対象になってしまいます。
③仮想通貨をマイニングによって獲得した場合・・・マイニングは仮想通貨の取引のおいての承認のことをいい、このマイニングによって対価としての仮想通貨を得る行為です。この場合は要した電気代や諸々の機材購入費等は経費として計上することは可能です。そのため申告する際には要した経費を差し引いて申告することが肝要です。
仮想通貨で課税される注意点
前述したように雑所得であるが総合課税のため、「いくらの仮想通貨を◯単位」使って商品を購入したという差益に課税されるため、レシートの類や保持しておいたり購入した履歴などは保存しておいたほうが良いでしょう(基本的には5年間保持)。
また、仮想通貨同士の交換も課税対象になっているので、頻繁に仮想通貨を交換している方の場合は知らぬ間に差益が生まれている可能性もあるので注意が必要です。
★仮想通貨業界は暴落したり急激な価格変動が多い業界です。暴落したから今年は大した税金を支払わなくて済むと思っていても、前年度に利益が出てしまっている場合は多額の税金を納めないといけません。予め税金を支払うということを念頭に置いて、納税分のお金は確保しておいたほうが良いでしょう。
★仮想通貨のセミナーに参加した費用や関連書籍の購入などでかかった費用は経費として認められる可能性があるので、経費として計上することにより負担を抑えることができます。
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