海外でジリジリとユーザーが増えていると言われている新しい形態の分散型取引所は(DEX/Decentralized EXchangeの略)、現在のところ日本には存在しません(というかできる可能性すら無いかもしれません)。今回は分散型のメリットやデメリットについて、分かりやすく解説します。
-分散型取引所とは-
現在、仮想通貨の取り引き形態の主流は、「中央集権型」が圧倒的多数を占めています(運営会社があるところ)。ユーザーは取引所にアカウント登録し、そこで業者を介して取り引きを行ったり、コインを購入したり資産を預けたりしています。
登録を行う際には個人情報を伝え、「なぜ仮想通貨を購入するのか?」などの目的も聞かれ、本人確認のために全ての情報をさらけ出すような形で登録を行っています。まぁ、丸裸にされたようなものでしょうか(笑)。このように情報をさらけ出し鉄壁の守りで保護されていると思われていた取引所でしたが、COINCHECKのハッキング被害をはじめ、多くの取引所が内部不正や外部からの攻撃いかんにかかわらず何らかの被害を受けているのが現状です。
ハッキング被害から誕生したという訳ではないと思いますが「諸々の手続きが面倒くさい」「倒産やハッキング被害の回避」「より自由な取り引きを求めて」「管理者不在の公正な取り引き」「国家の法規制などに縛られない」などの理由から誕生したのが分散型取引所ではないかと愚考します。それでは分散型のメリット、そしてデメリットについて解説します。
-分散型取引所のメリット-
➀中間管理者が介在しないため余計な手数料を取られない!
運営会社が存在しないので、誰かに中間マージンを持っていかれることがない!企業は利益を得るために「運営」「管理」などを行っているので、どうしても利益が発生するのは当たり前ですが、運営が不在なので余計な手数料がかかりません。
➁ユーザー登録、本人確認が不要!
これは結構手間がかかるので、本人確認が無いというのはとても嬉しくないですか?新しいアドレスやパスワードを作ったり、登録が終わっても今度は本人確認のためにパスポートや免許証を用意して、セルフィーした画像を送る・・・と、結構ありますよね。こういった面倒な手続きが無いのが分散型の良いところです。パスワードくらいなので、楽ちんと
➂1年365日自由自在に取り引きできる!
時間を選ばずいつ、誰でも誰とでも取り引きができるのが良いところ。タイミングが良ければ「欲しい時に欲しいコインを売買できる」というのは良いですね。思い立ったが吉日という感じでしょうか?
➃ハッキング被害に強い
分散型はプラットフォームを提供しているだけですから、中央集権的な管理者は存在しません。全て個人で管理しています。資産を取引所に預けることがないので、倒産はありえませんし、ハッキング被害に遭うリスクはかなり低いです。自己管理をしっかりできる方ならほぼ大丈夫ではないかと思います。
➄国家などの規制を受けづらい
運営会社が存在しないことから、ほぼ誰にも縛られないのがメリット(悪いことをしている訳ではありません)。国家に規制をされてしまうと一企業としてはどうしようもないですが、規制する相手がいないことと管理も分散しているため、規制することは不可能に近いかもしれません。
-分散型取引所のデメリット-
➀まだまだ取引量が少ない
やっぱりいまだに強いのは会社が運営している取引所です。その理由は単純で、利用者が少ないからです。利用者が少ないから板も薄いのは当然。後発的に誕生した分散型ですから、まだまだ流通量が少ないのは仕方がないですね。分散型も少しずつユーザーが増えているとはいえ、まだまだ圧倒的に中央集権型の取引所が強いです。
➁意外と高い手数料
中央管理者がいないから手数料は「激安」と思いたいところですが、実際そうではありません。「注文」だけでなく「キャンセル」したものまで全てをブロックチェーン上に記録するので、毎回トランザクションが発生します。その度に手数料がかかるため、うまく利用しないと高くつくことも。1回の手数料は安いのですが塵も積もれば山となるので、注意しながら取り引きをしないとマイナスになる可能性もあります。
➂サポートがほとんどない
当然と言えば当然のことなんですが、サポートが無いというのは何かが起こった時に困りますよね。普通の取引所だとトラブルがあれば運営会社がすぐに対応してくれますが、中央管理者が存在しないので自力でやるしかありません。結局は全て自己責任なので、資産を失っても補償がありません。
結局のところ、どちらも一長一短があるんで仕方がないですねぇ。
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